キボウのカケハシ

●訪問支援の概要
Learning for All (以下、LFA）では6歳から18歳までの子どもを対象に学習支援や居場所づくり、食糧支援など、幅広い支援を展開しています。しかしこれらの取り組みは基本的に子どもたちが拠点に通う通所型の支援であるため、拠点に通うことが難しい子どもについては支援が届きにくいという状況がありました。そこで、彼らを対象に開始したのが訪問支援です。1回あたり60分間の訪問を2週間に1回実施する形態を基本としていますが、子どもの状況に応じて週1回、月1回など変動的に訪問を行います。また、本人や保護者と打ち合わせのうえ、自宅や公園、自治体施設などの公共スペースを訪問場所としています。
訪問支援を通じて、当初は引きこもりがちで対人関係にも難しさを感じていた子どもが、将来の目標を立てて前向きに努力ができるまでになったケースもあります。LFAでは今後も一律の支援だけではなく、子どもの声を聞き、その子に必要なことをその子に合わせて届ける訪問支援の形を継続していきます。

●実際の支援内容
訪問支援で実施する内容は子どもごとに様々であり、支援計画も子どもの状況に応じてその都度更新していきます。主な過ごし方として、一緒に遊んだり、対話を通して子どもが自分の気持ちを振り返ったりする場合が多いです。子どもが拠点やその他の機関の活動に参加することができない理由や背景は様々であるため、過ごし方は、子どもの意向を尊重して、本人がどうしたいのかという部分を重視して決めるようにしています。

ここまでLFAが展開する支援の一つである「訪問支援」についてご紹介してきました。
学習／居場所支援拠点に通う子どもたちは、勉強したい／外の人と関わりたいなど、ある程度本人の要望が明確にあります。しかし訪問支援で関わる子どもたちは、このような「何かしたい」がまだ持てていない、あるいは表出できていない、または周囲がそれに気づけていないという状態であることが多いです。そのため、子どもとの関係性づくりはとても難しく、それゆえに、子どもが自分の気持ちを打ち明けてくれるように、相手のペースを尊重しながら根気強く関わり続けています。周囲の環境に対する信頼を失い、社会からの孤立という大きな困難を抱えている子どもたちが、前向きに自分自身や社会と向き合うことにつながる訪問支援に、LFAは大きな可能性を感じています。
LFAでは通所型の支援と訪問支援など、多様な支援の形を組み合わせながら、拠点に通う子どもたちと拠点に通うことが難しい子どもたち、どちらの子どもたちも取り残さないような支援を続けてまいります。