自分で選ぶ、自分の居場所〜LFA 世田谷拠点の1年目〜

Learning for All(以下、LFA)では6歳から18歳までの子どもを対象に、直営拠点での居場所づくり、学習支援、食事支援、保護者支援、訪問支援などを通じて、一人ひとりに合った支援を届けています。居場所拠点では、「一人一人に寄り添う」活動を行っています。
世田谷区の拠点には、「学校に行けない、行かない、その経験がある」「その結果、家族以外の誰かと関わる機会が減ってしまった」といった背景を持つ子どもたちが多く通っています。経済的な困窮よりも、心の孤立や人との関係性の希薄さが課題となっているケースが多いのが特徴です。また、一見自分で選んでいるように見えても、「選ぶ」「決める」経験が十分ではない子どもも少なくありません。
世田谷の拠点を利用する子どもたちは、強い感情を表に出すことが少なく、内に抱えた思いや不安が外からは見えにくい傾向があります。だからこそ拠点では、学校に行くかどうかではなく、まずは「ここなら行ける」と思える安心できる居場所であることを大切にしています。
安心できる環境の中で、自分の気持ちや希望を少しずつ外に出し、それが受け止められ、叶えられる経験を重ねることが、子どもたちの次の一歩につながっていきます。子どもたちがやがて自分の言葉で希望を語れるよう、一緒に考え、支えています。
  • 居場所拠点での活動
■「やりたいの木」に映る、子どもたちの声
拠点では、子どもたちの「やりたい」をきっかけに、ほぼ毎月小さなイベントを開催しています。その原動力になっているのが、壁に貼られた一枚の模造紙「やりたいの木」です。
この木には、「ひとりで」「みんなで」「気軽に」「本気で」の4つの象限があり、子どもたちは思い思いの「やりたいこと」を付箋に書いて貼っていきます。「遠足に行きたい」「青春したい」といった、子どもたちの願いが木の枝に並びます。
昨年の春には、子どもたちのリクエストを受けて、初めての遠足を実施。井の頭公園へお出かけしました。ボートを漕いだり、いちご飴を買って写真を撮ったり...そんなささやかな時間に、子どもたちは「これがやりたかったんだ」と笑顔を見せてくれました。学校に行けず、家にこもりがちだった子どもたちにとって、同世代の仲間と「わちゃわちゃ」できる時間こそが青春。スタッフも「ボートに乗って、友達同士ではしゃいで笑い合う子どもの姿を見たときに、胸がいっぱいになりました」と振り返ります。
  • 居場所拠点での活動
■今日を「よかったかも」と思ってほしい
スタッフが子どもたちと関わるうえで大切にしている考えがあります。
「この子たちの人生に "何かをしてあげられる" とは思っていません。ただ、今日という一日が "生きててよかったかも" と思えるような時間であれば、それで十分なんです」。
拠点では、進路や就労といった「出口支援」にも取り組んでいっています。大学進学だけが唯一の選択肢ではありません。それぞれの子どもが、自分らしい道を見つけ、さまざまな選択をしながら社会で生きていけるように。答えを急がず、型にはめずに、これからも模索しながら子どもたちに関わり続けていきます。
  • 居場所拠点での活動

活動レポート