カンボジアの小さな美術スクール

2016.04.04

2015年9月1日~2016年2月29日の間、皆さまよりお預かりいたしました募金を2016年3月31日に小さな美術スクールへ寄付いたしました。
沢山のご支援、誠にありがとうございました。
なお、寄付金の使途については、後日改めてご報告させていただきます。

2016.9.30

小さな美術スクールをご支援くださっている皆さまへ

カンボジアは、ポルポト時代に吹き荒れた暴力の嵐で多くの芸術家や教師の命が奪われ、その惨禍の爪痕は現在の文化、教育に大きな影響を及ぼしています。芸術教科指導できる人材も少なく、子ども達は絵を描きたくてもその環境を得ることが難しい状況です。それでも、他の国の子ども達と同じように、絵を描きたいと思っている子ども達が数多く、目を輝かせてその機会が訪れるのを待っています。そうした子ども達に絵を描く喜びを伝えたいと思い、この活動を始めました。2007年にカンボジアに参りまして今年で10年目となります。皆様方の温かいご支援のおかげで、授業に必要な画材・教材を購入でき、どうにか無料の美術スクール活動を継続することができております。

授業は、スクールと近隣の農村の子ども達約300名が美術、約40名が日本語を学んでおります。こうした子ども達の授業以外に、文化の光の当たらない辺境の村やKDDI財団が作られた学校の子ども達への授業にも何度か行きました。これまで一度も絵筆を握ったことのない子ども達が、初めて絵筆を握った時の喜びに満ちた顔を忘れられません。これから始まる新しい体験に心弾ませる子ども達の表情は、人間の子としての本質的な知的好奇心に溢れ、希望に満ちております。こうした子ども達との時間は、私たちにとっても喜びとなっております。
小さな美術スクールは貧しい家の子ども達のためのスクールですので、ほとんどの子は経済的な問題も含めて複雑な事情を抱えております。明日食べるお米ににも困窮する子ども達や塾に通いたくても通えない子ども達がおります。塾と言いましても日本と少し意味合いが違います。カンボジアは、中学・高校の卒業試験は国の統一試験のため、基本的に塾に通わないと卒業試験に合格できないようです。おかげさまで、こうした困窮した子ども達への学業・生活支援も行うことができるようになりました。

貧しい家に生まれた子ども達が自分の未来の扉を開くことができますよう、これからもこの活動を続けて参りたいと思います。どうぞ今後とも宜しくお願い申し上げます。

皆様方のカンボジアの子ども達へのご支援心より感謝申し上げます。

カンボジア・小さな美術スクール
笠原知子

活動レポート