小さな美術スクールをご支援してくださっている皆さまへ

コロナのオミクロン株が猛威を振るい日常生活もご不自由の中、カンボジアの小さな美術スクール活動をご支援くださいまして誠にありがとうございます。
昨年3月末からの全ての学校の休校措置命令が、11月にいろいろな条件付きで解除され、スクールでの授業、出張授業を再開することができました。オミクロンに子ども達が感染しないよう、対策を十全にしての授業再開でした。それでも、嬉しそうに登校する子ども達や出張授業の村の子ども達の中には、検温で37.5cを超えている子もおり、スタッフ一同毎回緊張しての授業となりましたが、どうにか子ども達の感染を防ぎ、3月末まで授業を実施することができました。皆さま方のご支援により、感染を防ぐための個別描画セット、日本語教科書を各子ども達に配布することができ、無事に授業ができましたことを心より感謝申し上げます。また、授業外の活動として、困窮している養護施設への毎月100㎏のお米支援や、村の女の子への大学学業、生活支援を継続することができました。現在、この子は卒業論文の執筆に励み、卒業も間近となっております。昨夏に応募した東南アジア(カンボジア、タイ、スリランカの3か国対象)を舞台にしたアーティスト育成支援事業「White Canvas(ホワイト・キャンバス)」コンテストにて、子ども部門2名、一般部門4名が入賞して表彰され、子ども達の大きな励みとなりました。
  • 小さな美術スクール
今期は、幅広く子ども達の表現の可能性を広げる方法としてデジタルによるアート制作にも取り組みました。スクール開校から活動を共にし、現在は作家としても評価を得ているカンボジア人スクール代表チーウ・ヒーアが制作方法を学び、将来的には子ども達への授業にも活用したいと考えております。
ヒーアが制作した作品とそれに込める思いをご紹介させていただきます。
ヒーアは6歳からお寺でお坊さんのお世話をしながら小学校に通わせてもらい、13歳から21歳まで養護施設で育ちました。子どもの時、砲弾が飛来するカンボジア内戦を経験し、また、家庭を知らず育った彼の思いは、何より、「愛」と「平和」が一番と考えております。抗いようのない現実に向き合わざるを得ない世界の子ども達へ、「その未来が明るくあるように」との思いで描いているとのことです。
ヒーア作品「愛」 「平和」
  • ヒーア作品「愛」
  • ヒーア作品「平和」
条件悪く生まれた子ども達の未来の扉が少しでも開くよう、また、子ども時代を感性豊かに過ごしてほしいと願って作ったスクールも今年で15年目を迎えます。十年一昔と言われますが、15年目となり、カンボジアにおいてもいろいろなことが大きく変わりました。変化の大きい時代ではありますが、人が人の子として成長する過程を急がさず、成長に合わせ、感性を豊かに育んでいきたいと考えます。
これからも子ども達の可能性が広がるようこの小さな活動を継続して参ります。特に、文化の光の届かない農村部の子ども達が笑顔になる活動に力を注ぎたく思います。これまでのご支援を感謝致しますと共に、今後ともどうぞ宜しくお願い申し上げます。

2022年4月 笠原 知子

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※みなさまからお預かりした寄付金は、毎年3月1日から8月末日までの振込み分を9月末日に、また9月1日から2月末日までの振込み分を3月末に各団体へ寄付いたします。
なお、災害支援の受付け期間、寄付実施時期等については、各支援内容に基づき実施いたします。

活動レポート