世界遺産 富士山の森を再生! 〜100年の森づくり〜

「富士山の森づくり活動」は、オイスカがコーディネーターとなり、様々なセクターの方々と協議会を形成し、虫害で損なわれてしまったシラベの人工林(約100ha)に、広葉樹を植林。多様性のある森の早期再生を目指して2007年から行っている活動です。現在は、これまでに植林した木々が健全に育つように育林作業を中心とした活動を行っています。2023年度の下半期では、9月〜10月に調査チームによるモニタリング調査、11月〜12月まで地元の林業者による獣害対策ネットの補修作業、年明けの1月には協議会の総会などを実施し、今年度の活動を無事に終えることができました。2023年度は、年間を通して9企業・団体、延べ656人のボランティアの方々、また地元の林業者延べ123人にもボランティア活動の指導や作業を行っていただいたおかげで、2970本の獣害対策ネットの補修や除伐作業などを行うことができました。
  • 9月頃の富士山の様子
    9月頃の富士山の様子
【モニタリング調査(9月26日〜10月10日)】
毎年、ボランティア活動が終了したタイミングで調査チームによるモニタリング調査を行っています。39地点で対象木の現存率調査、樹高測定、光環境判定、シカの生息状況調査などを実施しています。自然環境が厳しい現場であるため、植栽した木々の現存率などは約40%〜60%程度、ただその中でも残存している木々はよく成長していること。また、以前に比べてシカの食害自体は減ってきているが、まだ1Km²あたりに適正数より多い約8頭のシカがいることなどが確認できました。このような調査結果からも、シカの食害などを防ぐための獣害対策ネットがまだ現場に必要なことがわかり、補修作業を急ぐ必要があります。
【地元の林業者による獣害対策ネットなどの補修作業(11月〜12月)】
林道が閉鎖される冬本番前に、地元の林業者による獣害対策ネットの補修作業も毎年行っていただいています。ボランティアでは難しい現場での作業や次年度以降にボランティアの皆さんが安全に作業ができる現場環境の確認や整備などを行っていただいています。
こういった影で現場を支えてくださる調査チームや地元の林業者の方々がいてこそ、ボランティア活動が毎年変わることなく無事に実施できています。
またキボウのカケハシを通して、ご支援をいただく皆さんのおかげで、ボランティアの方々、調査チーム、地元の林業者とそれぞれのセクターが、必要な作業などが実現できています。皆さま、本当にありがとうございます。
  • モニタリング調査
    モニタリング調査
  • 地元の林業者による作業
    地元の林業者による作業
【5年ぶりの対面での「富士山の森づくり推進協議会」の総会実施】
2024年1月30日(火)に、2019年以来約5年ぶりに対面形式での総会を開催しました。会場は、東京農業大学 国際センター。当日は、協議会に関わる企業・団体の方々にご参集いただき、今年度の活動報告や次年度の活動計画などを発表し、協議会で無事承認いただくことができました。また総会前には、東京農業大学 佐藤孝吉教授による「森林をマネージメントする見方や考え方」と題した公開講演会も実施するなど盛会に終わりました。
  • 「富士山の森づくり推進協議会」総会の様子
    「富士山の森づくり推進協議会」総会の様子
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※みなさまからお預かりした寄付金は、毎年3月1日から8月末日までの振込み分を9月末日に、また9月1日から2月末日までの振込み分を3月末に各団体へ寄付いたします。
なお、災害支援の受付け期間、寄付実施時期等については、各支援内容に基づき実施いたします。

活動レポート