ボランティアによる育林活動を実施_富士山の森づくり

19年目を迎える「富士山の森づくり」は、虫害によるダメージを受けた富士山の2~3合目にある山梨県有林を公益的機能を発揮する強い森として再生するために、行政・企業・団体等と協力しながら、広葉樹を植林し、森の早期再生を目指しています。

「富士山の森づくり」では、植えた広葉樹がシカによる被害を受けることを可能なかぎり防ぐため、苗木一本一本に獣害対策ネット(植えた木をシカの食害から守るネット)を設置していますが、強風や積雪などの影響でネットが倒れてしまいます。放置すると、木は枯死してしまうため、ネットの補修が、木の成長を促す大切な作業となっています。

今年は、約400名のボランティアの手によって、約980本のネットの補修を実施・育林活動を行っていただきました。
  • ネットの補修作業の様子
    ネットの補修作業の様子
富士山の森づくりでは、約100haという広大な面積の中の約40haに、約42,000本の広葉樹を植えています。残っている植栽木には基本、すべての木にネットを設置しているため、ネットの補修作業も膨大な数にのぼります。

地元の林業者の方々にも委託してご協力もいただいていますが、限られた資金の中では、委託できる範囲にはどうしても限界があります。

そのような中で大きな力となっているのが、ボランティアの皆さんの活動です。ネットを補修することで、枯死してしまう木が守られ、順調に成長を続けることができます。森の再生には、こうした一つ一つのご協力が欠かせません。
  • 雪や強風によって、倒れているネット。
    雪や強風によって、倒れているネット。
  • 木とネットを起こし、補修をすることで、木の成長を促すことができます。
    木とネットを起こし、補修をすることで、
    木の成長を促すことができます。
植栽木を守るために、シカとの攻防が続いていますが、そのシカ、今年は、私たちの前に姿を表すことが多く、写真にその姿を収めることができました。(普段は、めったにお目にかかることができません)
植えた木を食べてしまうため、森づくりの現場では悩みの種ではありますが、やはり実際に見ると、その愛らしい姿に癒されました。

日本人は、昔からシカと歴史や文化の面で関わりをもってきました。これからも、シカとの関係を大切にしながら、調査や木の管理方法を検討し、いつかシカや多くの生き物にとっても住みやすい森になるよう、これからも取り組んでいきます。
  • こちらをじっと見つめるシカ。
    こちらをじっと見つめるシカ。
  • 活動地のシカ。左側:プロジェクトで植栽した木
    活動地のシカ。左側:プロジェクトで植栽した木
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※みなさまからお預かりした寄付金は、毎年3月1日から8月末日までの振込み分を9月末日に、また9月1日から2月末日までの振込み分を3月末に各団体へ寄付いたします。
なお、災害支援の受付け期間、寄付実施時期等については、各支援内容に基づき実施いたします。

活動レポート